世界お米紀行・タイ編│お米愛にあふれる国民性に共感

「お米」は日本人である私たちにとっての主食で、毎日の食卓に欠かせない存在です。
でも、ほかの国で暮らす人々にとって、お米はどのような存在なんだろう……?
日本以外にもお米を食べる国はたくさんある、というのは知っているけれど、どんな形で、どんな味で、どんなシーンで食べられているの?
意外と、知らないことばかりじゃありませんか?
ソラミドごはんの『世界お米紀行』は、世界中の「お米」の食べ方や、お米を使った料理──つまり、世界のお米文化を紹介する連載企画です。
第二回目は、タイのお米文化について特集します。
東京都渋谷区のタイ料理店「タイ料理研究所」に取材し、タイの代表的なお米料理やお米文化についてお話を伺いました。
アシワナン アリサラさん
「タイ料理研究所」を運営している株式会社SUU・SUU・CHAIYOOのスタッフ。好きなお米料理「カオニャオ・マムアン」(もち米とマンゴーのココナッツミルクソースがけ)

また、今回のインタビューではお店のタイ出身スタッフさんも現地の情報の補足などご協力くださいました。
左:ウワンさん/右:サックさん
タイ料理研究所 渋谷店 タイ出身のスタッフ。ごはん大好き! 笑顔がとってもチャーミング!

まずは、タイの代表的なごはん料理を紹介
ガパオライス

鶏ひき肉をホーリーバジルと一緒に炒めて、ごはんに乗せたタイの定番料理。スパイシーで食欲をそそる香ばしさが魅力です。半熟の目玉焼きをとろ〜り崩して、ごはんと一緒に混ぜながら食べるのが◎。甘じょっぱくてちょっぴりピリ辛、でもどこかやさしい味わいで、白ごはんがどんどん進みます!
カオマンガイ

鶏の茹で汁で炊いたごはんは、ほんのり香りが立ってやさしい味わい。しっとりとした鶏肉と一緒に、ごはんをぱくぱく口に運ぶ手が止まらなくなります。しょうがやにんにくの風味がきいたタレをかけて食べるのが本場流。ごはんにもしっかりうまみが染みこんでいて、しみじみおいしい一皿です。

カオマンガイの”カオ”はタイ語でお米(炊く前の生米)という意味です。でも、食事もカオだし、ご飯もカオっていうんです。カオを一言で表すのは難しい……!
カオニャオ

タイのもち米。東北部のイサーン地方では、タイ米ではなくカオニャオが主食として日常的に食べられています。指でちぎりながら団子状に丸めて食べるスタイルが一般的で、焼きものや炒めもの、串焼きなど、いろんなおかずと組み合わせて楽しみます。

農作業に行くとき、紐がついた竹筒にカオニャオを詰めてお弁当にして持っていくことがあります。水筒みたいなスタイルです。竹筒は通気性がよくて、蒸れないんですよ。
お米が主役!タイの暮らしに根づくごはん文化
──タイで主食といえば、やっぱりお米ですか?

そうですね、主食はお米が基本です。タイ人はお米が大好き! もしかしたら、日本よりもお米を食べる回数も、機会も多いのではないでしょうか。
主食はもちろん、麺類もお米から作られているものを食べることが多いですし、生春巻きの皮などに使うライスペーパーもお米からできています。

──確かに! パッタイ(タイの焼きそば)も米粉で作られていますよね。

そうなんです。あと、地域によって主に食べるお米の種類も違っていて。 基本的にはタイ米ですが、イサーン地方(東北部)ではもち米であるカオニャオが主食として食べられているんですよ。
──地域によってお米の種類が違うなんて、すごく面白いです!ところで、けっこうごはんのボリュームがありますね。


当店で出している料理は、だいたい1食で210gくらいのごはんを使っています。大盛りだと300gくらいですね。
──わぁ、量が多いんですね……!

確かに、ジャポニカ米だったら同じ量を食べるのは大変かもしれませんね。でも、タイ米は水分量が少なくて軽いので、意外とぺろっと食べられるんですよ。女性のお客様も残さずに一人前を召し上がっていきます。
── なるほど! 同じ量でも、お米の種類によって満腹感が違うんですね。

はい。タイ米はさらっと食べられるんです。だから、ごはんが多めでも気づかないうちに食べ終わってしまうことも多いんですよ。
タイの人は「熱々ごはん」にこだわらない!

──タイのイサーン地方では、もち米をごはんの代わりにして、手で食べると伺いました。蒸しあがった直後のもち米を、そのまま手で握って食べたら、ヤケドしてしまいませんか……?

いえ、蒸したてをすぐに手で食べることはありません。
熱いうちはとても触れませんし、実際には一度冷ましてから食べるのが一般的です。手でちぎって食べるので、ある程度冷めている必要があるんですよ。
──そうなんですね!日本では“炊きたて”や“熱々”のごはんがうれしい、という文化があるので、ちょっと驚きました。

タイでは、『熱々のごはん=おいしい』という感覚はあまりありません。
ごはんはよそったあと、少し冷ましてから食べることが普通です。特にもち米の場合は、冷まして手でちぎるという食べ方が定着しています。
──なるほど……。温かいことが“良い”とされるわけではないんですね。ごはんの温度に対する価値観が、国によってこんなに違うとは思いませんでした。
タイの屋台文化と炊飯器事情

── タイといえば、屋台がたくさんあるイメージです。あれは観光だけでなく、普段の食事でも使われるんですか?

そうですね。タイでは夫婦共働きが当たり前なので、家で料理をする時間があまりないんです。食事は屋台などで買って帰って、家で食べるのが日常的です。
── なるほど。日本人も忙しい家庭が多いけれど、根本には“家でごはんを作るのが基本”という意識があるので、ちょっと驚きました。

タイでは、お店で買って食べるのが普通ですよ。
“外食”というより、“家の食卓の一部”みたいな感覚ですね。
── おかずだけを買って、ごはんは家で炊くようなスタイルなんでしょうか?

いえ、タイ人のスタッフが子どもの頃は、炊飯器が家庭に無かったみたいで。お米は鍋で炊いていたそうですよ。炊飯器が普及し始めたのは、ここ30年くらいのことじゃないでしょうか。
── タイで炊飯器が一般的になったのは、そんなに最近のことなんですね! 初めて知りました。
まとめ
「タイの人はお米が大好きなんです!」
そう話してくれたスタッフさんの言葉からは、お米が日々の暮らしにとって大切な存在なんだということが、まっすぐに伝わってきました。
日本と同じようにお米が主食でありながら、「炊きたてが一番おいしい」とは限らないことや、冷ましたもち米を手でちぎって食べるスタイルなど、タイ独自の文化には驚きがいっぱい。「お米の食べ方」ひとつとっても、国によってこんなに違うんだなぁと実感しました。
そして、屋台で気軽にごはんを買って帰る食スタイルや、共働きが前提の暮らしに根づいた食文化には、「無理なく、でもしっかりごはんを楽しむ」タイらしいやさしさがありました。
違うところもたくさんあるけれど、根っこの部分には“ごはんを大切に思う気持ち”がちゃんとある。そんなところに、なんだかほっとするような親しみを感じた取材でした。
本場タイの味を、都内で。「タイ料理研究所」
今回の取材にご協力いただいたのは「タイ料理研究所」です。

渋谷や下北沢、赤羽、府中、秋葉原など、駅近の便利なロケーションに展開しており、まるでタイの屋台に迷い込んだような気分が味わえます。
タイの有名ホテルやレストランで修行を積んだタイ人シェフたちが腕を振るい、本場の味を再現しています。 辛さの調整も可能で、初心者から上級者まで幅広く楽しめるのが魅力です。

ランチタイムにはお得なセットメニューが用意されており、ディナータイムにはタイビールやオリジナルカクテルと共に多彩な料理を堪能できます。
思わず写真に撮りたくなるようなかわいい食器のセレクトにも注目です。料理のおいしさを引き立てるだけでなく、食卓が一気に華やかに!

お店のオリジナルキャラクター「マリちゃん」もひそかな人気。タイ料理と日本のカルチャーをつなぐ存在として、店内のあちこちに登場します。

都内にいながら本場のタイ料理を楽しめる「タイ料理研究所」で、ぜひタイ旅行気分を味わってみてはいかがでしょうか。
タイ料理研究所 渋谷店
住所:東京都渋谷区桜ヶ丘24-8 新南平台マンション102号室
電話番号:03-6455-3229
営業時間:11:30~15:00(L.O.14:30)、17:00~23:00(L.O.22:30)
定休日:無休
HP:https://www.sscy.co.jp/business_restaurant/thaifoodlabo/
公式Instagram:@thaifoodlab_suusuu
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ホーリーバジルはタイのハーブです。ナンプラーとタイの醤油、オイスターソースで味付けしています。