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ごはんがもっと美味しくなる!食卓を彩る“色”のチカラ

    毎日の食事で、なんとなく使っているお茶碗やランチョンマット。実はその“色”が、料理の美味しさに影響を与えているって知っていましたか?

    いつもの食器の色を少し変えるだけで、料理がより美味しそうに見えて、食事の時間がもっと楽しくなるかもしれません。

    今回は、食と色の関係について研究されている冨田圭子先生に、誰でも簡単に取り入れられる“食卓を彩る色のヒント”を教えていただきました。食事の楽しみ方がきっと広がりますよ。

    お話を聞かせてくれた人

    冨田圭子(とみたけいこ)先生

    近畿大学農学部 食品栄養学科 給食経営管理学研究室 准教授。
    マルホ株式会社(製薬会社)研究所勤務の後、大学病院等の非常勤助手、京都府立大学 生命環境科学研究科 助教を経て、現在は近畿大学農学部食品栄養学科准教授。一方、非常勤助手時代におもてなしとしての食に興味を覚え、ジャパンテーブルアーチスト協会認定講師の資格を取得し、テーブルコーディネート、フードコーディネート、食関連雑誌の撮影のコーディネート等、プロのテーブルアーチストとしての活動もおこなっている。研究内容は、人々の食生活における QOL・ADL の向上に貢献すべく幅広い研究を行っている。研究の主軸は「おいしくたのしく食べる」。

    聞き手: ソラミドごはんくん

    ごはんが大好き!
    ちょっぴりヒツジに似たごはんの妖精。好奇心旺盛で、ごはんのことなら何でも知りたい!聞きたい!見てみたい!と思っている。

    食卓の色が料理の印象を左右するって本当?

    ごはんくん

    まずはじめに、食卓における色はどのような役割があるんですか?

    冨田先生

    視認性や実用性を高めるだけじゃなくて、気分を明るくしたり落ち着かせたり、食卓の雰囲気を演出する大切な要素です。その中でも特に注目したいのが“即効力”なんですよ。

    ごはんくん

    即効力、ですか?

    冨田先生

    例えば、文字は情報を正確に伝えるのには便利ですが、読む時間や理解する時間が必要ですよね。でも、色ならパッと見た瞬間に感覚的に伝わります。だから、色はマーケティングの観点でも大事にされているんです。

    ごはんくん

    色の役割は重要なんですね。色を活用すると、食卓にどのような効果をもたらしますか?

    冨田先生

    カジュアル、フォーマル、エレガント、トラディショナルなど、食卓のスタイルに合わせた雰囲気が演出できます。白いテーブルクロスを敷くだけでフォーマルな感じになりますし、逆にカラフルなテーブルクロスを使えばカジュアルな雰囲気になります。

    ごはんくん

    食卓の雰囲気を演出できるなんて、面白いですね!

    ところで、色は料理そのものにも影響があるんですか?

    冨田先生

    もちろんありますよ。空間の雰囲気だけでなく、食欲にも大きく関わってきます。色を見て甘い・酸っぱいといった味を連想させることもあるんです。

    ごはんくん

    食器やテーブルクロスの色が違うだけで、料理の印象が大きく変わりそうですね。

    食卓をもっと楽しむための色選びのヒント

    ごはんくん

    料理をおいしそうに見せるには、どんな色の食器やテーブルクロスを選ぶといいんですか?

    冨田先生

    盛り付けをする料理によって変わるので、はっきりと“これが正解”と言い切るのは難しいですが、色選びのヒントになるお話はできます。

    ごはんくん

    ぜひ教えてください!

    冨田先生

    まず、色の基本的な捉え方としては、色相(色味)、明度(明るさ)、彩度(鮮やかさ)という3つの尺度で表します。例えば、同じ赤でも明るい赤から暗い赤、鮮やかな赤から落ち着いた赤まで、様々です。

    もしビビッドな赤を見たら、どんな食材が思い浮かびますか?

    ごはんくん

    う〜ん、トマトでしょうか?

    冨田先生

    そうですね、トマトやイチゴが思い浮かぶ方が多いです。そのとき、トマトならほのかな酸味を、イチゴなら甘という風に、味を連想することがあるんです。

    研究で『甘み』について調べたとき、淡い赤色はほんのりした甘さを感じる人が多かったです。逆に、黒っぽい赤だとお醤油味の煎餅や五平餅の甘辛い味をイメージする人が多かったですね。さらに、暗めの赤だと梅干しのような酸っぱい味を感じる人もいて、人によって様々なんですよ。これは、食卓の色選びでも大事なポイントになりますね。

    ごはんくん

    なるほど、色って味のイメージともつながってるんですね……!
    こういう感覚って、食器やクロスを選ぶときにも活かせたりするんでしょうか?

    冨田先生

    実は、料理を美味しそうに見せる“5色”があると言われていて……。それは黄色、赤、緑、黒、白の5色です。料理の中にこの5色が揃っていると、とても美味しそうに見えるんですよね。

    ごはんくん

    5色が揃うといいんですね。でも、料理によっては揃えるのってちょっと難しいこともありませんか?

    冨田先生

    そんな時は、食器やランチョンマットなどで色を補ってあげるとバランスがよくなります。料理に足りない色をプラスすると、料理全体がより美味しそうに見えます。

    ごはんくん

    足りない色は器や背景で補えば解決するんですね!

    冨田先生

    特に、人間の視覚的な特性を考えると、赤・黄色・緑が大事です。この3色があるだけで料理の見た目のよさも食欲もぐっと上がるので、ぜひ意識してみてくださいね。

    あと、白や黒は無彩色といって、どんな色にも合わせやすい色ですので、今日の話題であるごはんは、どんな色にも合わせやすいオールマイティな食材です。また、黒は料理を引き締めて見せてくれる色なので、盛り付けのときに取り入れるといいアクセントになりますよ。たとえば、お弁当の白いご飯に黒ゴマを少し振ってあげたり、おむすびに海苔を巻いてあげると、おいしさだけでなく、見た目もぐっと引き締まりますよね。茶色や濃い色も同じような効果があります。

    ごはんくん

    具体的な色が分かって、すごく勉強になります!

    色をちょっと意識するだけで、料理がもっと楽しくおいしく感じられるなんて、素敵ですね。

    食卓の雰囲気を変える魔法のアイテムはこれ!

    ごはんくん

    食卓をもっと楽しむために、おうちですぐにできることってありますか?

    冨田先生

    ランチョンマットを取り入れると、手軽に食卓の雰囲気を変えられるのでおすすめです。

    カフェ風、モダン、和風など、デザインも豊富ですし、A3のコピー用紙に好きな柄をプリントして敷いてみたり、お子さんに絵を描いてもらってオリジナルランチョンマットを作ったりするのもいいですね。ちょっとした工夫で、食卓がぐんと彩り豊かになりますよ。

    ごはんくん

    なるほど! ランチョンマットならすぐに手に入りそうですし、家族で楽しめますね!

    冨田先生

    そうなんです。あと、テーブルクロスを変えてみるのもおすすめです。面積が大きい分、食卓全体の雰囲気をガラッと変えることができますし、料理も引き立ちますよ。

    特に、淡いベージュや暖色系は食欲をそそる色として人気があります。淡いベージュは、食後もそのままゆっくり過ごしたくなるような、そんな温かみを感じさせてくれる色なんです。家族団らんの時間にもぴったりですよね。ちょっとした色選びで、食卓の楽しみ方が変わるんです。

    ごはんくん

    色が持つ力って、本当にすごいですね。これからは、色も意識しながらアイテムを選んでみようと思います!

    白米を美味しく食べるためのお茶碗の選び方は?

    ごはんくん

    今までのお話を踏まえると、白米を食べるときはお茶碗の色は白以外のほうが美味しく感じられるんですか?

    冨田先生

    それが、一概にはそうとも言えないんです。今回の取材をきっかけに、学生140人にお茶碗についてアンケートをとってみたんですよ。

    ごはんくん

    わぁ、ありがとうございます! 結果はどうだったんですか?

    冨田先生

    普段使っているお茶碗について聞いてみたら、全体の6割ほどが白か白に柄の入ったものを使っていて、次に多かったのがベージュで1割くらい。つまり、7割近くの学生が白っぽいお茶碗を使っていたんです。

    ごはんくん

    白が多いんですね、意外です。

    冨田先生

    それに、『今のお茶碗が気に入ってるか』という質問には、75%の学生が『気に入っている』と答えてくれました。理由としては、『美味しそうに見える』『雰囲気がいい』が半数弱、『持ちやすさ』『容量』『形』といった機能面が4割ほどでした。

    ごはんくん

    みなさん、今使ってるお茶碗にけっこう愛着があるんですね。

    冨田先生

    そうなんです。『ずっと使っていて愛着がある』という声も1割ほどありましたね。

    さらに、お茶碗の写真をいくつか見てもらって『どれが美味しそうに見えるか』を聞いたところ、白地に藍色の柄が入ったものが一番人気でした。ブルーグレーや黒い塗りのお茶碗も『ご飯が引き立つ』『ふっくらして見える』という理由で人気がありましたよ。

    ごはんくん

    白地に藍色の柄ってよく見かけますし、“和食器らしさ”がありますよね。

    冨田先生

    そうですね。逆に、朱塗りの漆器は旅館やお店の雰囲気があるけれど、家庭ではあまり選ばれないのかなという印象でした。

    全体的に、白地に藍色の柄は『落ち着く』という人が多かったです。やっぱり普段から慣れ親しんでいる色や柄が安心感につながっているんだと思いますね。

    ごはんくん

    愛着があると味の感じ方まで変わるなんて! 面白いですね!

    冨田先生

    今回のアンケート結果を見て改めて感じたのは、お茶碗選びは色だけじゃなくて、毎日の暮らしや気持ちに合ったものを選ぶことが大事なんだな、ということでしたね。

    ごはんくん

    ご飯をもっとおいしく食べるために、お気に入りのお茶碗を探したくなりました!

    食器やテーブルクロスの色ひとつで、食卓の雰囲気や料理のおいしさまで変わるなんて、本当に驚きです。

    これからは、色の力も取り入れて、もっと食卓を楽しんでいきたいと思います。

    冨田先生、たくさんのヒントを教えてくださって、ありがとうございました!

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