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大森 海苔のふるさと館で海苔の魅力を再発見!海苔つけ体験レポート

    あつあつご飯に巻いて食べるパリパリの海苔。

    普段、何気なく口にしているけれど、その歴史や製造過程を知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。

    「海苔って、どうやって作られているの?」

    そんな疑問を抱いていた時、東京都大田区に「大森 海苔のふるさと館」という施設があることを知りました。

    しかも、そこでは海苔つけ体験ができるというのです!

    これは行くしかない、と海苔の世界に飛び込んでみました。

    大森 海苔のふるさと館ってどんな場所?

    「大森 海苔のふるさと館」は、かつて日本一の海苔の生産地として栄えた東京都大田区大森の海苔の歴史を今に伝える施設です。

    大森では、江戸時代中ごろから昭和38年まで約300年の間、海苔養殖が盛んに行われていました。海苔養殖は大森から日本全国に広まっていったそうです。

    「大森 海苔のふるさと館」は、京急本線の平和島駅から歩いて約15分の場所にあります。

    一歩足を踏み入れると、そこはまるでタイムスリップしたかのような空間。

    海苔付け場の再現

    昔の海苔養殖で使われていた貴重な道具や、等身大で再現された海苔付け場が臨場感たっぷりに展示されています。

    実際に使われていた道具たち

    映像や体験コーナーもあり、海苔の世界を五感で楽しむことができますよ。

    摘み取った海苔を入れたり洗ったりしていたザル

    海苔の歴史に触れる「海苔つけ体験」をしてみたよ

    今回参加したのは、「初めての海苔つけ体験」です。

    海苔つけ体験が出来るのは11月〜4月限定で、その他の時期も夏休みの工作や生き物観察などのイベントを毎月行っています。

    昔、実際に東京都大田区大森で行われていた海苔つけを体験できます。

    収穫した海苔を細かくカットする「海苔切り」の実演から始まり、細かく切った海苔を枠に流しこんで形作る「海苔つけ」、つけた海苔を乾かす「海苔乾し(のりほし)」まで、海苔づくりの一連の流れを体験できる、まさに海苔づくりの入門編です。

    会場には、親子連れや大人同士など、幅広い年齢層の方々が集まっていました。

    まずは、海苔に関する知識を深める「のりのりクイズ」からスタート!

    大森 海苔のふるさと館の滝本さん

    海苔はどこで採れるのか、旬はいつなのかなど、意外と知らない海苔の豆知識をクイズ形式で楽しく学ぶことができました。詳しく書くとネタバレになってしまうので、ぜひ実際に体験に参加してクイズに挑戦してみてください!

    海苔を収穫してから加工するまでのおおまかな流れの説明を受けたら、いよいよ「海苔切り」の実演が始まります。

    昔ながらの包丁からチョッパーまで、時代の流れとともに進化してきた海苔切りの包丁の実演は圧巻です。

    昔使われていた海苔切りの包丁

    手作業で細かく刻んでいた時代から、スピーディーに機械で粉砕するチョッパーへ。

    チョッパーで海苔を刻む様子

    その進化の過程を見ることで、海苔づくりに携わってきた人々の苦労と工夫がひしひしと伝わってきました。

    いよいよ、メインイベント「海苔つけ」に挑戦!

    まずは、講師の方によるお手本を拝見。

    海苔を流し込む様子

    細かく刻まれた海苔を升ですくい、つけ枠(海苔を板状にするための道具)に流し込み、均一にならしていきます。

    サッと枠に流し込む姿は先生の業

    簡単そうに見えたのですが、実際にやってみると大違い!参加者からは「難しい〜!」の声が続出です。

    海苔が枠の形に仕上がって面白い!

    講師の方からは「ためらわずに、思い切って流し込むのがコツですよ」とアドバイスがありました。

    昔は、一人で1時間で250枚〜300枚もの海苔つけをしていたというから驚き。10秒に1枚のペース…想像を絶する速さに、ただただ脱帽です。

    「海苔つけ」が終わったら、次は「海苔乾し(のりほし)」です。

    専用の機械で海苔を高速回転させて、軽く水気を切ったら、枠乾しに広げて天日干しにします。

    みんなで作った海苔

    枠乾しに並んだ海苔は、見た目が障子みたいで面白い! 海苔がずらっと並ぶ姿は、なかなか圧巻です。

    これで、海苔づくり体験は一通り終わりです。

    自分で作った乾海苔は、後日、郵送してもらうか、再度来館して受け取ることができます。

    炙って食べるのがおすすめとのことなので、受け取った後にさっそくフライパンで軽く炙ってみました。

    炙る前と後ではこんなに色が違うんです!

    海苔を香ばしく、よりおいしく食べるために必要な工程です。

    左:炙る前/右:炙った後

    ごはんに乗せて食べてみると……。

    口の中いっぱいにふわっと広がる磯の香りがたまらない! ふっくら白ごはんとパリッとした海苔の組み合わせは、言葉にならないくらいの安心感があります。これだけでごはんがどんどん進みそうです。

    自分で作った海苔を食べる体験が出来るなんて、本当に感動〜!

    海苔つけ体験に込められた想いとは

    今回、海苔つけ体験を盛り上げてくださった、大森 海苔のふるさと館の滝本さんに、体験への想いを伺いました。

    ──この海苔つけ体験は、いつ頃から開催されているんですか?

    滝本さん

    以前は、大田区立郷土博物館で年1回開催し、とても好評でした。2008年に当館が開催し、このイベントを引き継ぎ、冬の間に月2回実施するようになりました。

    ──長年愛されているイベントなんですね!

    海苔つけ体験には、どのような想いが込められているのでしょうか?

    滝本さん

    まず、大森がかつて海苔の一大産地であったことを、多くの方に知っていただきたいです。施設名に『ふるさと館』と付いているのも、そのためです。

    また、昔ながらの道具を使い、当時の製法を再現することで、先人たちの知恵と技術を後世に伝えたいという想いもあります。

    機械化が進んだ現代において、手作業で行われていた昔ながらの海苔づくりの原点を体験していただきたいです。そして、海苔を日本各地に伝えてくれた先人たちの努力の尊さを感じてもらえたらいいなと思います。

    ──昔の製法を体験するだけでなく、海苔の歴史や文化を未来へと繋いでいきたいという想いが伝わってきますね。すてきです!

    まとめ

    今回、海苔のふるさと館を訪れて海苔への熱い想いに触れ、そして海苔づくりを体験してみて、海苔のことがもっともっと大好きになりました。

    普段、何気なく食卓に並ぶ海苔。でも、その一枚一枚に、たくさんの人の想いと、長い歴史が詰まっていることを知りました。

    昔ながらの道具を使い、手間暇かけて作られた海苔は、まさに自然の恵みそのもの。自分で作った海苔を口にした時の、あの感動は忘れられません。

    これからは、いつものおにぎりも、お味噌汁も、もっともっと感謝の気持ちを込めて味わおうと思います。

    海苔つけ体験は11月〜4月の期間限定開催です。

    それ以外の時期にも、海苔にまつわる楽しいイベントが盛りだくさんなので、ぜひ大森 海苔のふるさと館へ遊びに行ってみてくださいね。

    イベントの詳細は公式ホームページをご覧ください。

    https://www.norimuseum.com

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