お米農家さん、冬の間は何してる?-冬仕事からつながる、おいしいお米づくり-

富山県北東部に位置する入善町でお米作りに励む「有限会社ドリームファーム」。北アルプス立山連峰から注ぐ、ミネラル豊富な伏流水に恵まれた肥沃な黒部川扇状地で、「太陽の恵み、水の恵み、大地の恵みに感謝」の想いのもと、「コシヒカリ」や、富山県のブランド米「富富富(ふふふ)」など、現在ソラミドごはんでお取り扱い中のお米を栽培してます。
そんな米農家ドリームファームでは、お米の収穫を終えた11月から次の田植え準備が始まる3月までの時期をどのように過ごしているのでしょうか?今回は、あまり知られていないお米農家の「冬仕事」について、ドリームファーム生産者の渡辺さと子さんにお話をお伺いしました。
お米農家さんの冬の仕事についてお話を聞かせてくれた人
お米農家さんの冬仕事
インタビューを行ったのは、1月中旬。例年以上の大雪に見舞われている北陸地方ですが、ドリームファームが位置する富山県 入善町(にゅうぜんまち)の天候はどうなのでしょうか?
「今日は雪もそれほど降っていませんね。入善町でも、多いときには一晩で1メートル以上の雪が積もる日もありますが、この冬は比較的、雪が少ない方かもしれません。ただ、北陸の空模様は変わりやすいと言われ、日によっても時間帯によっても、雪になったり雨になったりと天候がころころ変化します」(渡辺さん)
常に天候によって左右されるドリームファームの冬仕事。雪が積もれば田んぼには出られず、屋内での作業が中心になるそうです。稲の収穫が終わった11月から翌年3月まで、月毎にどのような作業を行なっているのか、お聞きしてみましょう。

- 11月…おいしいお米に欠かせない土づくり
- 12月…お米作りを振り返る
- 1月…機械や道具を整備する
- 2月…保水のために田んぼを補修
- 3月…再び耕し、肥沃な土に
11月:おいしいお米に欠かせない土づくり
渡辺さん: 11月は、「土づくり」が中心です。稲刈りは10月上旬で終わりますが、田んぼには収穫後の稲株がそのまま残っています。そこへ、籾殻や近隣の養鶏場から分けていただいた鶏糞、それから窒素成分を投入し、一緒にすき込みながらトラクターで丁寧に耕します。中でも窒素は、稲株の腐熟を促してくれる上、害虫の発生を防いで病気に強いお米作りに欠かせない成分。この時期の土づくりが、次の年のお米の品質に直結するんです。
12月:お米作りを振り返る


渡辺さん: 雪が降り始め、田んぼでの作業ができない日も多くなる12月は、その年のお米作りを振り返る大切な時期です。米農家が集まる会議などに参加し、お米の生育や収量など、お互いの状況について情報交換を行うこともあり、地域全体で状況を把握しつつ、次の年のお米作りへの対策を検討する重要な機会だと言えますね。
ドリームファームでは野菜や花も栽培していますので、この時期は、それらの手入れや収穫に時間を費やすことも多くなります。
1月:機械や道具を整備する

渡辺さん: 年が明けると、機械整備に取り掛かります。トラクターや田植え機、コンバインなど、ドリームファームで所有する大型機械の清掃や調節など整備をしっかりと行い、次のお米作りに備えます。育苗箱をきれいにしたりと、苗作りに向けての準備もスタートする時期です。
2月:保水のために田んぼを補修

渡辺さん: まだ雪が多い2月ですが、田んぼの補修という大切な作業を行います。具体的には、お米作りに欠かせない水を管理するため、田んぼにある水の入口と出口を整備するんです。特にこの地域では、北アルプス立山連峰に蓄えられたミネラルたっぷりの伏流水のおかげで、お米の甘味や旨みが生まれますので、欠かすことができない作業です。
3月:再び耕し、肥沃な土に
渡辺さん: 11月に続き、再度、田んぼを耕します。その際にすき込むのがシリカ成分。実は、日本の土は酸性に傾いている土が多く、お米作りにはあまり適していないと言われています。そこでシリカ成分を投入することで中和させ、お米が育ちやすい土壌に整えます。微生物の活動を活発化させる効果もあり、肥沃な土づくりには不可欠ですね。
天候によって日々の作業は異なりますが、雪や雨が降らない日には、朝から夕方まで、一日中田んぼでの作業を続けることもあるそうです。とはいえ、70ヘクタールに及ぶ圃場を管理するのは、わずか5人程度。少人数での作業は大変な労力が伴います。
ただ、この冬の時期にしっかりと田んぼを耕したり、補修を行うことは、次のお米づくりの基盤を整える上で欠かせません。中でも、土づくりはおいしいお米作りをめざすドリームファームのこだわりでもあり、手を抜くことはできません。4月から始まる苗作りを心待ちにしながらの冬仕事は、稲の成長を願う農家にとって大切な作業だと言えますね。

お米農家さんの冬の仕事を取材してみて
近年の夏の猛暑もあり、品質や収量の維持も課題だと話す渡辺さん。冬の期間は、「これからお米をどう育てていくか」ということをスタッフ同士で話し合う貴重な時間でもあるそうです。
生き物を育てるには、日々の作業の積み重ねはもちろん、チームワークも必要だと実感します。その要となるのは、お米作りに対する皆さんの強い熱意。それを知った上で口にするドリームファームのお米は、一層おいしく感じます。
取材/執筆:福島和加子

おいしいお米のために。お米農家さんは冬もお仕事が盛りだくさん
冬の間も農家さんはたくさんのお仕事に取り組まれています。その努力のおかげで、私たちは毎年、おいしくて安心できるお米を食べることができるのです。ソラミドごはんでは、そんな農家さんたちが大切に育てたお米を取り扱っています。ぜひ一緒に、農家さんを応援しましょう!
今回取材に協力してくれたドリームファームさんのお米はこちら






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