玄米の健康効果7選|科学的根拠に基づく効果と炊き方を徹底解説【お米の専門家と管理栄養士が監修】

玄米にはたくさんの健康効果があり、主食を白米→玄米に替えるだけでOK!その驚きの効果と、玄米の食べ方や炊き方のコツなどを解説します。
この記事は、全国の選りすぐりのお米やごはんの道具の販売と、農家・研究者などお米にまつわる専門家への取材を通した情報発信をする『ソラミドごはん』と、管理栄養士が監修し、科学的根拠に基づいた情報をもとにまとめました。
本記事の監修者
玄米の効果に関する監修・執筆
ソラミドごはん編集部
「今日も、ごはんがおいしいな。」をコンセプトに、全国のこだわりの農家さん、大学の研究者、企業・団体の専門家などの方々に取材し、お米に関する様々な情報発信を行っている専門メディアです。こだわりのお米・ごはんの道具も販売しています。※写真は当サイトのイメージキャラクター

管理栄養士コメント:今井 裕子
今井裕子
老舗ファブリックメーカーに新卒入社後、自社販売体制の構築に注力。サイト改修、印刷物デザイン、動画作成、SNS運用、イベント出展等広く携わったのち、2022年よりデザイナーとしてスカイベイビーズに参加。ソラミドごはんスタッフ。趣味はすてきな日用品探しと、お絵描き。管理栄養士の資格を持つ。

玄米が「完全食」と呼ばれる理由|白米との栄養価比較
玄米は、稲の実から籾殻(もみがら)だけを取り除いた状態です。
私たちが普段食べる白米は、この玄米から「糠(ぬか)」や「胚芽(はいが)」を削ぎ落としたものですが、実は栄養の約9割はこの削られる部分に集中しています。ビタミン、ミネラル、食物繊維がバランスよく含まれているため、玄米は「完全食」に近い食材と称されます。
| 栄養素 | 玄米(炊飯後) | 白米(炊飯後) | 白米との差 |
|---|---|---|---|
| 食物繊維 | 1.4 g | 0.3 g | 約4.6倍 |
| ビタミンB1 | 0.16 mg | 0.02 mg | 8倍 |
| マグネシウム | 49 mg | 7 mg | 7倍 |
| ビタミンE | 0.5 mg | ほぼゼロ | – |
現代の食事は精製糖質に偏り、カロリーは足りているのにビタミンやミネラルが不足する「新型栄養失調」が問題視されています。玄米は主食を置き換えるだけで、現代人に不足しがちな微量栄養素を効率よく補給できるため、忙しい日々の健康基盤を支える強力な味方となります。
玄米に含まれる主要成分と期待できる効果
玄米の健康効果は多数ありますが、その理由は白米にはほとんど含まれない成分の相乗効果によるものです。主要な成分と期待できる具体的な効果は下記の表のとおりです。
| 成分名 | 主な効果 |
|---|---|
| 食物繊維 | 便秘解消、血糖値上昇の抑制 |
| ガンマ-オリザノール | 食欲抑制、脂質代謝の改善 |
| フェルラ酸 | 脳の抗酸化、認知症予防の可能性 |
| GABA(ギャバ) | ストレス緩和、睡眠の質向上 |
| LPS(糖脂質) | マクロファージ活性化、免疫維持 |
| ビタミンB1 | 糖質のエネルギー代謝促進、疲労回復 |
| フィチン酸(IP6) | デトックス、抗酸化作用 |
| アディポネクチン | 血管修復、動脈硬化の予防 |
では下記からは上記の成分がもたらす、玄米の健康効果について研究結果などの科学的根拠を示しつつ、より具体的にご紹介していきます。
科学的根拠に基づく玄米の健康効果
では、各研究結果をもとに、玄米が持つ健康効果をメカニズム別に解説します。
1. 血糖値の上昇抑制と2型糖尿病の予防
玄米は「低GI食品」の代表格です。食物繊維がたっぷり含まれているので、糖の吸収をゆっくりにしてくれます。そのため、食後の血糖値が急上昇する『血糖値スパイク』を防ぎ、眠気を抑制してくれたります。
ハーバード大学の研究でも、白米を玄米に変えるだけで糖尿病リスクが下がることが示されました。主食を替えるだけで、将来の健康リスクを優しく抑えられます。
参照元
- White rice, brown rice, and risk of type 2 diabetes in US men and women (JAMA)
- シドニー大学 GIサーチ「Brown Rice」
2. 便秘の解消(不溶性食物繊維による物理的刺激)
玄米の食物繊維の多くは「不溶性」で、これらは水分を吸って膨らみ、便のボリュームをアップさせます。それが腸の中をほうきで掃くように壁面を刺激し、お通じを促す「ぜん動運動」を活発にしてくれ、便秘の解消に効果があります。たとえるなら『天然の掃除屋』といえるでしょう。
玄米の不溶性食物繊維は、腸を刺激してくれますが、水分が足りないと逆に便が硬くなってしまうこともあります。玄米を食べる時は、コップ1杯多めにお水やお茶を飲むことを意識してみてくださいね。水分と食物繊維の相乗効果で、よりスムーズなお通じが期待できます。
参照元
3. 免疫力の向上(LPSによる免疫細胞の活性化)
玄米の糠(ぬか)には、免疫の司令塔「マクロファージ」を活性化させるLPSが豊富に含まれています。マクロファージが活性化すると、ウイルスや細菌への防御力が高まり、風邪の予防や傷の修復といった「自然治癒力」が底上げされます。玄米は、日々の食事で免疫のスイッチをオンにしてくれる心強い味方です。
参照元
4. 認知機能の維持と脳の老化防止(フェルラ酸)
米ぬかに含まれるポリフェノールの一種「フェルラ酸」には、非常に優れた抗酸化作用があります。
近年の研究では、認知症の主な原因物質とされる「アミロイドβ」が脳内に蓄積するのを防いでくれる可能性が注目されています。年齢とともに気になる脳の健康を守る食べ物としても玄米は期待できるようです。
参照元
- Ferulic acid inhibits amyloid β-protein aggregation (Scientific Reports)
- J-Stage「米ぬか由来フェルラ酸の脳機能改善作用」
5. 食欲の暴走を抑える代謝改善(ガンマ-オリザノール)
玄米特有の成分「ガンマ-オリザノール」は、脳の視床下部(自律神経系とホルモンの分泌などに関わる司令塔)に作用します。
琉球大学の研究では、揚げ物やファーストフードに代表される「高脂肪な食べ物」への食欲を自然に落ち着かせ、食生活を正常に戻す作用があることがわかっています。やる気や我慢にダイエットではなく、脳から食欲を整える代謝改善アプローチが可能です。
血糖値が急激に下がると、脳は「エネルギー不足だ!」と勘違いして、甘いものや脂っこいものを欲してしまいます。玄米は血糖値を安定させてくれるので、この『偽の空腹感』が起きにくくなるんです。お菓子への欲求が自然に減っていくのを、ぜひ実感していただきたいですね。
参照元
- Brown rice and its component, γ-oryzanol, attenuate the preference for high-fat diet (Diabetes)
- 琉球大学「玄米成分によるメタボリックシンドローム改善効果」
6. 睡眠の質の向上と精神的ストレスの緩和(GABA)
玄米(特に発芽玄米)には、天然の鎮静剤と呼ばれる「GABA」が豊富です。GABAはチョコレートのお菓子で一躍有名になった成分なのでご存知の方も多いと思いますが、興奮した神経を鎮め、副交感神経を優位に導くリラックス効果があることがわかっています。
これによって寝付きを良くし睡眠の質UPや、また、ストレス緩和効果があることもわかっています。
参照元
7. 心血管疾患の予防と血管の若返り
玄米を食べることで血管を保護する「アディポネクチン」を増やせることも示唆されています。BMJに掲載された研究では、全粒穀物の摂取習慣が心血管疾患や冠動脈疾患のリスクを大幅に低下させることがわかっています。つまり、玄米を食べることで血管の老化を防ぎ、健康寿命を延ばすことができるのです。
参照元
- Whole grain consumption and risk of cardiovascular disease (The BMJ)
- The Journal of Nutrition (Oxford Academic)
科学的根拠に基づく「玄米の効果を最大化する」炊き方・食べ方
上記のように多くの健康効果を持つ玄米ですが、実はその「炊き方」や「食べ方」も重要です。
ここでは、同じく研究結果など科学的根拠をもとにした玄米の栄養を余すことなく摂取するコツをご紹介します。
12時間以上の「浸水」を忘れずに
玄米を12〜24時間ほど浸水させると、発芽準備状態に入り、リラックス成分であるGABA(ギャバ)が数倍から10倍程度まで増加します。
また、浸水は植物の防衛成分であるアブシジン酸を不活性化させますので、よりふっくらとした炊き上がりになるため、栄養価の面でも美味しさの面でもとても重要です!
参照元
「圧力炊飯」と「塩」
1.8気圧以上の圧力炊飯は、玄米の強固な外皮を破壊し、デンプンを芯までアルファ化(糊化)させます。これにより玄米にありがちな「ボソボソ」とした食感がおさえられて、モチモチとした食感になるうえに消化もよくなりますよ。
また、少量の塩を加えることで玄米に含まれるカリウムの苦味が抑えられ、水の浸透が促進されてふっくらと炊き上がります。
もし「玄米だと胃がもたれやすい」と感じる方がいれば、まずは炊き込みご飯やリゾットなど、少し水分を多めにして柔らかく調理するのも手です。また、消化を助ける『大根おろし』や『発酵食品(お味噌汁や漬物)』を一緒に合わせると、胃腸への負担をさらに軽くできます。
参照元
冷凍保存で増加する「レジスタントスターチ」
実は炊き立てのお米を冷凍保存し、再加熱して食べると意外なメリットがあります。
それがご飯が冷める過程でデンプンの一部が変化する「レジスタントスターチ(難消化性デンプン)」です。レジスタントスターチは食物繊維と同様に腸内環境を整え、血糖値の上昇をさらに緩やかにする効果が期待できる成分です。
参照元
【ライフスタイル別】無理なく玄米を習慣化するコツ
ここまで紹介してきた玄米の健康効果を享受するには「継続」が最も大切です。ここではライフスタイルに合わせた無理のない取り入れ方をご提案したいと思います。
自炊派は「白米3:玄米7の黄金比」からスタート
いきなり100%玄米にすると、腸が驚いて腹部膨満感(胃や腸にガスや便などが溜まったり、胃腸の運動機能が低下したりして、お腹が張って苦しい状態のこと)を起こすことがあります。
そのため、まずは白米7:玄米3の割合から始め、2週間かけて徐々に玄米の比率を上げていくのがおすすめの食べ方です。
なお、一度に多めに炊いて1食分ずつ「冷凍ストック」しておくことで、炊飯するたびに白米と玄米をブレンドする手間を減らすことができますよ。
私が指導する際も、「まずは白米7:玄米3」のブレンドからおすすめしています。これは胃腸を慣らすためだけでなく、味の違和感をなくして『美味しい!』と脳に記憶させるためでもあります。無理をして嫌いになってしまうのが一番もったいないので、自分のペースで『美味しい比率』を探してみてくださいね。
参照元
外食派は「レトルト玄米パック」からはじめよう
自炊が難しい場合は、コンビニやスーパーで販売されている「レトルト玄米パック」を活用するのがおすすめです。加圧処理されたパックは家庭で炊くより消化が良い場合もあります。
なお、玄米がない場合は「全粒粉パン」や「十割蕎麦」を選ぶこともおすすめ。これらは玄米と同様の「全粒穀物」にあたるため、同じような健康効果が期待できますよ。
参照元
- The Journal of Nutrition「Whole Grain Consumption and Health」
- ハーバード公衆衛生大学院「The Nutrition Source: Whole Grains」
玄米のデメリット?「毒性」や「ミネラル欠乏」の誤解
玄米には健康効果がたくさんあることがわかっている一方、「毒性」や「栄養吸収の阻害」というデメリットについても触れられることがあります。最後に、これらについて最新の科学的知見から解説します。正しく理解すれば、これらは大きなリスクではないことがわかりますよ!
フィチン酸は体に悪いのか?
フィチン酸がミネラルの吸収を阻害するという説がありますが、現代の研究では、バランスの良い食事をしていれば悪影響は極めて限定的とされています。むしろ、フィチン酸が持つ強力な抗酸化作用や、体内の有害物質を排出するデトックス効果といったメリットが注目されています。
参照元
アブシジン酸とミトコンドリアの関係
玄米の胚芽に含まれるアブシジン酸が「細胞のミトコンドリアを傷つける」という説が過去に話題となりました。しかし、この成分は上記でもご紹介した「12時間以上の浸水」をすることで不活化(無毒化)されることがわかっています。正しく吸水させてから炊飯すれば、健康上の懸念はありません。
参照元
消化不良を防ぐための「絶対条件」
玄米は白米に比べて外皮が硬いため、早食いをすると胃腸に負担をかけます。これが「玄米は胃に悪い」と言われる原因です。対策はシンプルで、「ひと口につき30回以上噛む」こと。咀嚼によって唾液とよく混ざることで、栄養素の吸収率も大幅にUPしますよ!
参照元
健康効果が満載の「玄米生活」をはじめよう!
玄米は単なる主食ではなく、病気リスクを下げ、脳や体のパフォーマンスを支える「天然のサプリメント」ともいえる優れた主食です!
週に数回、あるいは1日1食を置き換えるだけでも、数年後の健康状態に差が出ますので、まずは「選べる時は玄米を選ぶ」という小さな一歩から始めてみてください。
なお、当サイトでは有機農法や無農薬栽培など、こだわりの農法で栽培した栄養たっぷりの玄米を販売しています。ぜひチェックしてみてください。
忙しい毎日を送っていると、どうしてもおかずが少なくなり、ビタミンやミネラルが不足する「隠れ栄養失調」になりがちです。玄米なら、いつものご飯を替えるだけでベースの栄養価が底上げされます。特に、疲れを感じやすい方や、外食が多くなりがちな方にこそ、主食で手軽に栄養を補うこの方法は非常におすすめですよ。